-->

これであなたも洗車の達人!

プロ直伝手洗い洗車機の使い方とコツ

2021.08.04

ウォッシュパス

コイン洗車場や一部のガソリンスタンドには、セルフ洗車機の他にボディー洗いや濯ぎを自分の手で行う、「スプレー式手洗い洗車機」が設置されていることがあります。
この手洗い洗車機は、機能・性能的にスタンドのスタッフなどが普段使っている業務用手洗い洗車機とほぼ同レベルなため、使いこなせれば誰でも「プロ並み」に、愛車を美しく仕上げることができます。
そこで今回は、「洗車のプロ」であるガソリンスタンドの元店長だった筆者が、手洗い洗車期の使い方とコツ、使用時の注意点などを読者の皆さんに伝授したいと思います。

01 事前準備はドライブスルー洗車(セルフ洗車)の時とほぼ同じでOK

詳しくは「慣れれば簡単!楽々!セルフ洗車機の使い方と注意点」にまとめていますが、セルフ洗車機であれ手洗い洗車機であれ、使用前に行うべき準備はほぼ同じ、ウィンドウとドアに閉め忘れが無いか確認した後、車体に付いている砂やホコリなどを、丁寧に大量の水で洗い流しておけばOKです。
ただ、門型のセルフ洗車機と違い接触でミラーやキャリー、ワイパーなどが破損する心配はないため、付属品の格納や取り外しやワイパーの養生をする必要はありません。
また、手洗い洗車機ではその作動の中で、高圧スプレーの水でボディーを洗い流す工程が必ずあるため、操作に慣れて作業スピードがUPすれば、前述した予備洗浄を必要も無くなります。

02 貸してもらえる洗車ツールと準備しておくと便利なモノ

設置されている施設によって多少違いはありますが、手洗い洗車機を使用するユーザーには、

  • 1.ボディー洗い用の「ムートン」
  • 2.1を入れるバケツ
  • 3.足回り用ブラシ
  • 4.ボディー用&ステップ・足回り用拭き上げタオル
  • 5.タイヤワックス
などが貸し出されるほか、ワンボックスやミニバンように脚立も完備されているため、手ぶらでも問題ありません。

ただ、拭き上げタオルの枚数に制限があることも多く、タイヤワックスの貸し出しがない場合もあるため、普段利用する洗車場に併せ予備の拭き上げ用タオルを持ち込んだり、自分好みの市販タイヤワックスを準備しておくと安心です。
また必須ではありませんが、手洗い洗車機には余分な水気を吹き飛ばす「ブロー機能」が備わっていないため、セーム皮やマイクロファイバー製の「吸水専用タオル」を準備しておくと、作業効率がUPするので便利です。

03 スピードも必要?手洗い洗車の手順とコツ

さて、ここからは手洗い洗車機の使い方を手順を追って解説してまいりますが、ユーザー用手洗い洗車機は「時間制」であるため、手早くしかもムラなく作業を進めることが大切です。

【手順その1】設置されている手洗い洗車機のコース&装備を把握しよう

まずは設置されている手洗い洗車機にどんな洗車コースがあり、どのような機能が備わっているかチェックしましょう。
手洗い洗車機のコースは主に3つ、「水洗いのみ」「水洗い+シャンプー」「水洗い+シャンプー+撥水」で、それぞれ若干手順が異なりますが、今回は最もスタンダードな「水洗い+シャンプー」の手順を紹介します。
なお、手洗い洗車機には基本的に高圧で水をスプレーする機能と、洗浄剤及び撥水剤を噴霧する機能が備わっていますが、それぞれのノズルが独立している場合と、分かれている場合があります。
ノズルが分かれている場合、ホースをさばいたり持ち帰るのに若干時間を消費するため、無駄なく作業できるよう、手順をしっかり覚え事前に動きをイメージしておきましょう。

【手順その2】高圧スプレーの水で車体全体をくまなく洗い流す

お金を手洗い洗車機に入れスタートボタンを押すと、まず高圧の水がノズルから噴射され始めるので、水が流れる方向である上から下へ向かって、ボディをまんべんなく洗い流してあげましょう。

あらかじめ簡単にでも予備洗浄をしておけば、ボディを洗い流しても十分時間が余るはずなので、汚れが付きやすいタイヤ周りを念入りに洗い流すと◎、「水洗いのみ」を選んだ場合はこの手順の前に、自前のカーシャンプーをバケツなどで泡立てておきましょう。

【手順その3】泡状のシャンプーを車体にまんべんなく噴霧する

高圧の水で汚れをあらかた洗い流したら、次に洗車機のノズルから泡状の洗浄剤が出始めるので、これもボディの上から順に隙間ができないよう、まんべんなく噴霧しましょう。
直接ボディへ噴き付けるではなく、若干ノズルの先を若干上に向け細かく左右に動かしながら、雪が降り積もっていくように泡をかけていくのがコツ。
この時、手際よく作業すればボディへ泡を吹きかけ終わっても時間が余り、洗浄剤の噴霧が数秒続くはずなのでバケツにでもそれを溜めておけば、次の手順で何かと役立ちます。

【手順その4】貸与されたムートンでクルマを優しく洗う

ここからがスピード勝負、ムートンで愛車を手早くしかも丁寧に洗っていくことになりますが、だからと言って焦って広範囲をいっぺんに洗うのはNG、屋根から順番に上から下へ向かって「1m四方」を目安として、小分けに洗っていくのがコツです。
また、ほとんどの手洗い洗車場には直射日光を避ける屋根が敷設されていますが、それでもボディに付いた洗浄剤は、手早く手洗いしていかないと徐々に乾いてしまい、洗いムラやシミの原因となります。
ここで役立つのが、前の手順でバケツに溜めておいた泡、作業に手間取ったり車体が大きかったりしてボディが乾き始めた時この泡を利用すれば、洗いムラやシミの発生を防ぐことができます。

【手順その5】高圧スプレーの水で泡を残さずすすぐ

ここまでくれば洗車完了まであと一歩。
家庭用ホースと違い手洗い洗車機からは高圧の水が噴射されるため、苦労することなくあっという間に洗浄剤の泡を洗い流すことができます。
エンブレムなど破損しやすい部品に注意しながら、ボンネット・ドア・トランクなどとボディの継ぎ目に泡が残らないよう、これも洗車の基本である上から下に向かって、しっかり洗い流してあげましょう。

【手順その6】丁寧に拭き上げて洗車完了!

ボディの洗いあげとすすぎが無事終わった、と言って気を抜き時間をあけると、ボディに残った水分か乾いて水アカやウォータースポットになってしまうため、なるべく早く水分を残さず拭き上げましょう。
表面だけではなく、ボンネット・ドア・トランクを数回開け閉めすると、隙間に入り込んだ水分が外部へ垂れてくるので、ステップや給油口などと一緒に漏らさず拭き取ってください。

04 セルフ洗車機と手洗い洗車の使い分け、頻度はどの程度が適切?

セルフ洗車機より優しく繊細に愛車を洗えるのが手洗い洗車のメリットですが、言ってみれば放り込むだけの全自動洗車と異なり、やはり手洗い洗車を正しく実施するには時間と労力、それにちょっとしたコツが必要です。

正直、長年使ってきた中古車で少々の傷やヘコミ程度なら気にしないというのであれば、手軽なセルフ洗車機オンリーで構いませんし、汚れを落とすパワーだけなら手洗いよりセルフ洗車機の方が上かもしれません。
とはいえパワーがある分、やはり傷が入るリスクは全自動洗車の方が高いですし、ワックスやコーティングをしている場合、セルフ洗車機より手洗い洗車の方が、光沢や撥水効果が長持ちします。
ですので、新車同然で細かい傷を極力つけたくない車や、高額なコーティングを施工している車などは、手間と労力が許す限り極力手洗い洗車にこだわったほうが良いでしょう。

05 まとめ

今回紹介した手洗い洗車機の使い方やコツを身に付ければ、わずかな出費で愛車をプロが手掛けたのと同レベルまできれいに仕上げることも可能です。
また、マメに手洗い洗車をすると愛車のサイズ感が身体で把握でき、日頃の運転に役立つほか、せっかく苦労してキレイにしたのだから大切に乗ろうという気持ちが沸き、いずれも安全運転につながると言われています。
キレイな車は事故率が低いという研究結果もあるそうですから、今回の記事に出会ったのを機会に、手洗い洗車の頻度を増やしてみてはいかがでしょうか。

進化した洗車機について

ページ上部へ